パーソナルトレーニングジムに通いたいけれど、週1回で十分なのか、週2回が最適なのか、また何ヶ月通えばいいのか、そして効果が出たらやめてもいいのか、そんな疑問を持ったことはありませんか?
パーソナルジムの料金が比較的高いイメージがあるため、始める前にいろいろと考えるのは当然です。そこで、現役のトレーナーがパーソナルトレーニングの期間と頻度について解説します。
ダイエット目的のパーソナルトレーニング期間と頻度の理想は?
ダイエットに関してはまず体型によって最初に考えることや実施内容、期間が変わります。
体型に関しては2つのパターンがあります。
①隠れ肥満型
「筋肉量が少ない為、相対的に体脂肪率が増えている」隠れ肥満ではまずは筋肉を増やしていく事が重要です。
筋肉が少ない方はダイエットに効果的な高強度の運動に体が耐えられない為、最適負荷を加えられない状態にあります。その為このタイプではまず筋量をしっかり増やす必要があります。
筋量が増える時には神経の強化から始まり、その次に筋量が増えていくプロセスをたどります。
文献上オーソドックスな解説を見ると週2回のトレーニングを行うと開始後最初の2週間程度は神経の反応が高まり、強い運動や難しい運動に適応できます。
ここをクリアしてから4週目までの間で徐々に筋肥大(筋繊維の膨張や筋繊維の増加)の効果を得られていきます。これを踏まえると一先ず4週間程度は間違いなくトレーニングを続けることが必要です。
この事から隠れ肥満型は筋力を伸ばしてからの方がダイエット効果が上がると言えます。その為まずは4週間程度のトレーニングを続けることが必要だと言えそうです。
その上でダイエットの最大の目的である脂肪の燃焼を起こしていくことで目標を達成していくことになります。
では脂肪の燃焼はどれくらいの時間がかかるのか?ここが気になるところですね。
隠れ肥満体型の方は上記のような筋肉に対するトレーニングをしながら、肥満型の方は単純に燃焼を意識したトレーニングが必要になります。
端的な数値で考えていくのがシンプルで説明もしやすくなると思います。
脂肪の燃焼は基本的に1kgあたり8,900〜9,400kcalと言われています。
(一般的に体脂肪1kgの燃焼には7,200kcalが必要とされますが、これは体脂肪の約80%が中性脂肪であるという内容から、体脂肪の80%がエネルギー源と誤解された結果です。また、8,900という値も実際には消化吸収率が95%であり、脂肪1gあたりの本来のカロリーが9.4kcalであることから9.4×0.95=8.93kcalとなります。したがって、1kgの脂肪燃焼には9,400kcalが必要と考えても良いでしょう。)
おおよその理論値では、
目標の脂肪量(kg)×9,400 ÷(基礎代謝+活動代謝−摂取カロリー)=達成日数
となります。
一般的な体型で、20代の女性がパーソナルで5kgの脂肪を落としたい場合、
47,000kcal ÷(1,110+900−1,300)=約66日となります。
ただし、この数値は体重に関与するむくみなどを考慮していないため、実際には体重の変化がもう少し早く起こる人も多くいます。
また、筋肉が少なく運動に慣れていない人の場合は筋力を高める期間も含まれるため、28日+66日=94日間、約3か月がより理想的なパーソナルトレーニング期間と考えられます。
②体重も多く体脂肪率も高い=肥満型
肥満と言われる状態は非常に単純なものですが、実はダイエットの観点から見ると、このタイプは有利な場合があります!体重が多く、体脂肪率も高い場合、それは筋肉も脂肪もそれなりについている、いわゆる相撲取り体系のことが多いのです。
筋肉は1kgあたり約13kcalの基礎代謝を使用します。例えば、体脂肪率が25%で同じ数値の場合、
Aさんの体重が100kgであるとすると、除脂肪体重は75kgです。
Bさんの体重が50kgであるとすると、除脂肪体重は37.5kgです。
一般的に除脂肪体重が多い場合は、筋肉量も多いと言われています。つまり、バイトは言いませんが、アドバンテージが得られる可能性が高いのです!
つまり、隠れ肥満型の方に対して「まずは筋肉をつけよう」というアドバイスは既に行われていると言えるのです!後の理論は前述の説明と同じですので、体系的にも太っていると感じている方は、ぜひダイエットにチャレンジしてみてください!
脂肪燃焼はどれくらいの時間がかかるのか?
隠れ肥満体型の人は先に述べた頻度で筋トレをしながら、肥満型の人は単純に燃焼を意識したトレーニングが必要になります。
脂肪の燃焼は基本的には1kgあたり8,900〜9,400kcalであると言われています。
(一般的に体脂肪1kgの燃焼に7,200kcalが必要とされますが、これは計算する際に体脂肪の約80%が中性脂肪であるという内容を、体脂肪の80%がエネルギー源であると誤解されてしまった結果の誤りです。
また、8,900kcalというのも実際には消化吸収率が95%であり、脂肪1gあたりの本来のカロリーが9.4kcalであることから9.4×0.95=8.93kcalから来ており、実際は1kgの脂肪燃焼には9,400kcal必要だと考えても良いでしょう。)
おおよその理論値では、
目標の燃焼させたい脂肪量(kg)×9,400 ÷(基礎代謝+活動代謝−摂取カロリー)=達成日数
となります。
一般体型でパーソナルでしっかりと動く20代女性が5kg脂肪を落としたいのであれば、
47,000kcal ÷(1,110+900−1,300)= 約66日となります。
この数値は体重に関与するむくみなどを考慮していないため実際はもう少し早く体重の変化が起こる人も多くいます。
上述したように筋肉が少なく運動に慣れていない人の場合は筋力を高める期間も含まれるため、28日+66日=94日間、約3か月がより理想的なダイエットを行うパーソナルトレーニング期間であると言えます。
パーソナルトレーニングを受ける頻度と精神面の変化
身体的な変化や精神的な変化はトレーニングを行う頻度によって変わります。
週1回のパーソナルトレーニング
週1回のトレーニングでは身体的な変化はあまり大きくないとされています。なぜなら、トレーニングの頻度と有効性に関する研究が数多く存在し、その研究の結果から週1回のトレーニングでは得られる効果は少ないとされているからです。
もしパーソナルジムに1回行って、他の日は自分でトレーニングできるのであれば問題ありませんが、現実的にはそう簡単には行かないものです。
1週間も経てば、運動負荷はリセットされてしまい、精神的にも楽になるため、メンタル面のトレーニングとしても負荷が十分ではありません。
また、知識を得るためにも、回数が少なければ学習機会が減ってしまうため、あまりメリットはないでしょう。
週2回のパーソナルトレーニング
週2回のトレーニングは週1回のトレーニングと比較して、肉体や精神の強化が59%も上乗せできるという研究があります。
単純にトレーニングを2倍にすると50%の上乗せになることは理解できますが、それ以上に9%も効果が高まることをどう考えるかは興味深いですね。
この研究では、週2回同じ部位のトレーニングを2ヶ月間行った結果が示されています。これを1年間継続すれば、週1回のトレーニングよりもさらに54%の効果の上乗せが得られます。週1回のトレーニングでは2年半かかる成果を1年程度で得ることができるのは大きなメリットです。
また、精神的にもトレーニングの効果が高まるため、疲労感が残ることでさらに効果が得られます。
週3回以上のパーソナルトレーニング
週3回のトレーニングは目標達成率が最も高いと言われています。週3回の実施では、部位ごとにトレーニングを分けることができるだけでなく、細かな知識の共有も行われるため、学習面でも有利です。
トレーニングが苦手な人でも、週3回トレーナーの指導を受ければフォームの向上などが早く進み、結果もより得やすくなります。
一方、週3回以上のトレーニングは経済的、メンタル的、そして肉体的にもオーバーワークになる場合が多いです。適度な刺激が重要なトレーニングにおいては、オーバーワークは避けるべきです。そのため、週2~3回のトレーニングが最も理想的でしょう。
パーソナルジムに月1回では痩せませんか?
はっきりと申し上げます。なんでも月1回の努力で成果は出ません。
パーソナルジムには大きく3つの役割があります。
1 学習的役割(栄養指導 睡眠指導 トレーニングフォーム 体の知識 など)
2 実施的役割(トレーニングの実践 回数や重さの管理 など)
3 体調管理的役割(痛みや違和感などの体調管理 メンタルケア など)
これら3つの要素をお客様にしっかりと落とし込みながらサービスの提供を行うのがパーソナルジムとなります。
現代ではラインなどの手軽な通信手段がありますが、やはりその場でしっかりとカウンセリングをしたり指導を受けることと比較をすれば質は落ちます。
低品質なトレーニングサービスは結果も出ないままに無駄にお金を払い続けることになります。
変わろうと決意したのであれば、短期集中でひとまず目標に向けてしっかりと努力することをお勧めします。
2ヶ短期ダイエットプランってリバウンドしませんか?
2ヶ月間の教育状況によっては、比較的多くの人がリバウンドを経験するでしょう。これは3ヶ月でも同じで、「終了後」の状況を考えると大きな違いはないかもしれません。
リバウンドしてしまう理由は、単純に欲求に負けてしまうからです。
人間は目的や目標を周囲に公言し、監督やコーチから近くで定期的に指導を受けていると、自分を律する心理状態に移行します。
つまり、ダイエットを成功させたい、本気で変わりたいと思って入会した場合、期間中は基本的に減量のために指導されたことを守る意識が強くなります。
しかし、指導が終了すると、律するための条件が崩れ、暴飲暴食などに走ってしまうのは心理学的に普通のことです。
ここで重要なのは、トレーナーがいなくても自己管理をする必要があると思えるようにすることです。
例えば、ダイエットに成功し、痩せた体の全身写真を風呂場に飾っておくと、鏡を見るたびに写真と自分を比べるようになるかもしれません。
自分の行動だけでは変えられない場合には、週1回のパーソナルトレーニングの継続も必要な場合があります。
人間は元々、「何かを成し遂げるまでは強い」という性質を持っていますが、「成し遂げた後は堕落する」ということを念頭に置いておけば、リバウンドに対する考え方も変わるかもしれません。
パーソナルトレーニングを継続するコツはありますか?
ずばり、「自分が満足できる」ことが継続のコツです。
1,家チカ・職場チカのジムを探す
トレーニングを継続する上で重要な要素として、通いやすさが大きな判断基準となります。
一般的なジムなどの通い型と比べて、予約を取ることで通い続けることが容易なパーソナルジムもありますが、それでも自宅の近くや会社の帰り道にある方が時間の融通がきくため、通いやすいと明らかです。
2,トレーナーとの相性を見極める
おしゃれな空間でサービスが良くても、トレーニングは「人」と「人」との関係で行われるため、担当トレーナーとの相性は非常に重要です。
トレーナーは最低限のトレーニング理論をしっかり学んでいると思いますが、接客能力や人柄は個人によって異なります。
指導を受けて「結果は出そうだけど、つまらない」と感じるようなトレーナーに当たってしまった場合は、別のトレーナーを試してみることもひとつの手段です。
3,何人かのトレーニングを全く同じオーダーで受ける
トレーナーの力量を評価するためにも、この方法は有効です。
体験などで「ビビッと来た」と感じる場合は別ですが、そうでない場合は自分の悩みや課題を明確にし、それを解決してくれそうな相性の良いトレーナーを見つけることが重要です。そうすれば、満足できるトレーニングを受けることができると考えられます。
4,目的に合った機材がある店を探す
パーソナルジムにも蓋を開けてみると様々なスタイルのお店があります。
- ①大きなマシンがほとんどないタイプ。
- ②全身筋トレ用の3畳ほどの省スペースに置けるタイプのマルチトレーニング機器が置いてあるタイプ。
- ③それなりの広さがあり、トレーニングをしにくい部位のマシンがいくつか置いてあるタイプ。
など、そのジムが提供しているコンセプトは様々です。以下に簡単に①〜③の特徴をご紹介します。
① 大きなマシンがほとんどないタイプ
大きなマシンがない、つまり自重中心のジムは、比較的トレーニング初心者の方や体調を整えたい方に向いています。マシンを置かないことによって、価格帯が抑えられている可能性も高いです。
重たいウエイトを扱う自信がない方にとって、フリーウエイトなどは怪我のリスクを高めてしまうことがあります。このタイプのジムでは、トレーナーの力量が重要な要素です。また、姿勢の改善や運動不足の解消、ダイエットなどには十分に活用できると言えます。
②全身筋トレ用の3畳ほどの省スペースに置けるタイプのマルチトレーニング機器が置いてあるタイプ。
マルチトレーニング機器があるジムの場合、全てではありませんが、ある程度全身のトレーニングに負荷をかけて実施することができます。
このスタイルは、本格的なトレーニングの導入に活用される方もいれば、トレーナーの質が高ければコンテストへのフォローやサポートも行ってくれます。
ただし、技術力のないトレーナーが介入すると狙った効果が得られないだけでなく、負荷をかけることで怪我のリスクも高まる可能性もあります。そのため、こちらもトレーナーの力量を考慮する必要があります。また、最近ではこのスタイルでのジムの開業が増えており、質のばらつきがあることにも注意が必要です。
③それなりの広さがあり、トレーニングをしにくい部位のマシンがいくつか置いてあるタイプ。
俗に言われるコンビニ型や一般スポーツクラブというスタイルがこれになります。特徴は、基本的にお客様がご自身でマシンを選んでトレーニングを実施し、スタッフは基本的には介入しません。
一方、専属のトレーナーが指導をしてくれる施設もありますが、その場合は基本料金に加えてパーソナルトレーニング料を支払う必要があり、割高になることがあります。マシンが使用されるトレーニングでは怪我のリスクが少なくなりますが、同時にマシンに依存するトレーナーに担当された場合、マシントレーニングや一部のフリーウェイトのトレーニングにしか対応できない場合もあります。そのため、本当に満足できるトレーニングが提供されているかどうかは疑問視される場合があります。
セルフトレーニングの理想的な内容や目安頻度は?
トレーナーの指導がない日の活動量は非常に重要です。
ダイエットやボディメイク、健康増進といった全てのプログラムに共通するのは、日常生活の活動量を増やしていくことです。
そのため、男女を問わず大切なことは「普段から体を動かす習慣を身につけること」です。
女性編
❶ストレッチ
女性の場合は基本的に有酸素運動を行うことでより引き締まりますが、それよりも重要なことがあります。
それは筋肉の硬さを軽減することです。女性は体の筋肉のバランスが不均衡になりやすく、特にある筋肉を頻繁に使いすぎてしまうことで、逆側の筋肉が弱くなることが多いです。
一般的に起こりやすい筋バランスの不均衡としては、腿の前側が過度に緊張し、裏側が弱くなることが挙げられます。
腿の前側の硬さを解消するために効果的な方法は、立った姿勢で足首を持ち上げてお尻と踵を近づけるように背面に引き寄せるストレッチです。
ストレッチは30秒〜60秒ほどゆっくりと深呼吸しながら続けることが重要です。
❷お腹の安定化トレーニング
腹筋の力が抜けやすく姿勢が悪くなりがちな女性にとって、腹筋を使って姿勢を安定させることは非常に重要です。
腹筋は活動時や立った姿勢での体の安定性に関与しており、安定した力を維持することは怪我の予防やパーソナルトレーニングにも役立ちます。
腹筋の安定性を向上させるためにおすすめなのはエルボープランクです。
四つ這いの姿勢からひじを床につき、両足のつま先を遠くに伸ばした状態で、腰の反りやお尻の上がり過ぎに注意しながら姿勢を保つトレーニングです。キープする時間は姿勢が崩れる手前までできるだけ長く続けることが大切です。
男性編
❶スクワット
キングオブエクササイズと言われるスクワットは、下半身のほとんどの筋肉を効果的に活性化させることができるとされています。
スクワットはスタンスの違いによって効果が異なりますが、特に日本人にとって難しいとされるお尻や内股の筋肉にしっかりと効かせたいところです。
効率的な方法として、足のスタンスを肩幅の2倍程度に広げて行うワイドスクワットが挙げられます。
回数については、疲れを感じる範囲でしっかりと行うことが望ましいですが、20回から100回程度を徐々に増やして継続すると良いでしょう。
❷ニーリングプッシュアップ
上半身の効率的なエクササイズとして、プッシュアップ、つまり腕立て伏せがあります。
腕立て伏せは、胸周りの大きな筋肉を強化するだけでなく、体幹部の安定性を向上させるトレーニングとして知られています。
体幹部を強化する場合には、ニーオフのプッシュアップがおすすめです。しかし、運動初心者には膝をついた腕立て伏せでも十分です。
重要な点として、体を沈める際には、手と手の間に胸を近づけるように体を前へと移動させながら行うことが肩への負担を減らし、怪我のリスクを低くする方法です。あ